たんぱく質と食物繊維を一緒に摂るのは無駄?メリットとデメリットについて解説
健康的な食生活を築く上で、たんぱく質と食物繊維は欠かせない栄養素です。
しかし、これらの栄養素を同時に摂ることが一番効率的なのか、それとも別々に摂るべきなのか、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、たんぱく質と食物繊維に焦点を当て、それぞれの基本的な役割や摂取ポイントを解説します。
また、これらの栄養素を一緒に摂る際のメリットやデメリットについても掘り下げ、最終的には効率的な栄養補給のポイントを提案します。
食事の質を向上させ、健康的な生活を送るためのヒントが満載です。
健康への第一歩を踏み出す方にとって、重要な情報となることでしょう。
たんぱく質と食物繊維について
最初にこれらの栄養素を簡単におさらいしましょう!
たんぱく質とは
たんぱく質は筋肉の材料のイメージがつきがちな栄養素ですが、皮膚、骨、内臓、髪、爪などの身体のありとあらゆる部位を構成しています。
1グラムあたり4キロカロリーのエネルギーで、主に食肉や魚、乳製品、大豆製品に多く含まれているので、これらの食材をうまく組み合わせて摂取しましょう。
また、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の女性の場合、1日あたりの必要摂取量は50グラム※が推奨されています。
※個人の体格や体質によってはこの限りではありません。
たんぱく質が不足すると筋肉量への影響が出るだけでなく、貧血や免疫力の低下、肌荒れなどの影響が生じる場合があります。
生理が来ることや低血圧の人が多い傾向から、女性は特に意識してたんぱく質を摂取する必要があると言えるでしょう。
こちらの記事でもたんぱく質不足が与える影響について詳しく解説していますので、是非チェックしてみてくださいね!
身体のダルさはたんぱく質不足が原因?女性の不調とたんぱく質の関係について
食物繊維とは
食物繊維は主に野菜、果物、穀物などに含まれる成分で、便通を促進し、腸内環境を整える役割があります。
また、食後の血糖値の上昇を緩和したり、脂質の吸収を抑制するなど、様々な健康効果が期待されます。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の女性は1日に18グラム以上の食物繊維摂取が推奨されています。
18グラムの食物繊維はキャベツ1玉分と大体同じぐらいの量で、ほとんどの人が食物繊維が不足していると言われています。
そのため、野菜や果物を中心に摂り入れ、積極的な食事の工夫が必要です。
間食にバナナやさつまいもを取り入れると、食物繊維の補給ができるだけでなく小腹を満たすことができるので一石二鳥です。
特に、さつまいもには疲労回復に必要不可欠なビタミンB群や、むくみを防ぐためにも必要なカリウムなどが豊富です。
動画ではダイエット中の強い味方としてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
【ダイエット】さつまいもがダイエットに向いている 3つの理由【ビーレジェンド FEM】
食物繊維とたんぱく質を同時に摂るメリットとデメリット
ここからは食物繊維とたんぱく質を同時に摂取することについてのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
食物繊維とたんぱく質を一緒に摂るメリット
たんぱく質は筋肉の構成要素であり、食物繊維は腸内環境を整える働きがあることを前項でご紹介しました。
食物繊維とたんぱく質を同時に摂ることで得られる主なメリットは下記のとおりです。
・たんぱく質の吸収スピードがゆっくりになるので食事と食事の間が長い時の栄養補給に向いている
・たんぱく質だけを摂る時に比べて腹持ちが良くなる
・善玉菌のエサになる食物繊維を摂ることで、たんぱく質の分解で増えた悪玉菌とのバランスを整える
それぞれ詳しく見ていきましょう!
たんぱく質の吸収スピードがゆっくりになるので食事と食事の間が長い時の栄養補給に向いている
たんぱく質は体内への吸収スピードが早い栄養素であるのに対し、食物繊維の吸収スピードはゆっくりである特徴があります。
トレーニングや運動直後はたんぱく質単体、またはたんぱく質の吸収スピードを早める糖質を一緒に摂ってスピーディーなたんぱく質補給が必要です。
これは、トレーニングや運動で傷ついた筋繊維を修復するための栄養であるたんぱく質を素早く身体に届けることで、リカバリー効果を高めるためです。
しかし、私たちの身体の中では24時間分解と合成が繰り返されており、したがってたんぱく質の摂取は1日を通して補給を意識しなければならないと言えます。
たんぱく質が長時間供給されないと、身体は筋肉を分解してアミノ酸を作り、エネルギーを生成します。
これを筋分解と呼びます。
「トレーニングをしているのになかなか筋肉がつかない…」といったことは、ダイエットやボディメイクに取り組んでいる時には避けたいことですよね。
だからと言って適量のプロテインや肉や魚などのたんぱく質源を2〜3時間おきに食べるのは、なかなか難しいでしょう。
食物繊維は吸収スピードがゆっくりである性質を持つので、たんぱく質単体で摂るよりも食べ合わせたり、サプリメントを組み合わせることで吸収速度を緩めることが期待できます。
夕食までの時間が長い場合のランチはお肉だけでなく野菜を組み合わせたり、プロテインスムージーに小松菜やバナナを入れたりする工夫もおすすめです。
たんぱく質だけを摂る時に比べて腹持ちが良くなる
たんぱく質を多く含む食材は脂質も多く含まれている傾向があります。
脂質は消化に時間がかかり、カロリーが高く満腹感を得やすい特徴がありますよ!
ダイエットやボディメイクの際は脂質はできるだけ取り除く必要があるのですが、ダイエット中の息抜きで脂の乗ったお肉を食べると満足感があり、「また頑張ろう!」と気持ちを切り替えている人も多いはず。
食事制限中は脂質の少ない肉や魚などのたんぱく質源を摂るため、なかなか満腹感を得にくい傾向があります。
そんな食事制限中にこそ、食物繊維がメリットを発揮するでしょう。
食物繊維は消化される際に水分を吸収して膨らみ、これによって満腹感を得やすくなります。
また、食物繊維が豊富な食材は食べ応えがあり、咀嚼回数が増えることでも満腹感をもたらしてくれますよ!
咀嚼によって口の中の組織や頬の筋肉が刺激され、脳の視床下部に伝達されて満腹を知らせる物質が分泌されます。
たんぱく質単体で摂る際よりも食物繊維を組み合わせて摂取するのは、食事のボリュームが気になるダイエット中の食事に向いていることが言えます。
善玉菌のエサになる食物繊維を摂ることで、たんぱく質の分解で増えた悪玉菌とのバランスを整える
私たちの腸内には約1000種類・100兆個もある腸内細菌が共存しており、善玉菌、悪玉菌、中間(日和見菌)の菌の3つのグループに分かれており、健康な腸内環境とは微生物のバランスが取れて共存している状態を指します。
悪玉菌は腸内を腐敗させたり、有害物質の産生といった働きがあります。
一方で善玉菌は悪玉菌の増殖を防ぎ、免疫力のアップや腸のぜん動運動を促して排便をサポートする働きなどが代表的です。
悪玉菌は名前に「悪」とついているため悪者扱いされがちですが、たんぱく質を分解して排泄する働きもあり、腸内で悪玉菌の数が少ない際は問題を起こさないと考えて良いでしょう。
しかし、前項にも挙げた通り、日本人は食物繊維の摂取量が不足しがちなので悪玉菌が増えやすい傾向にあります。
そのため、悪玉菌のエサとなるたんぱく質を摂る際に食物繊維の摂取を意識することで、腸内環境のバランスを保つことに繋がりますよ!
肉や魚料理を食べる際は野菜も一緒に食べ合わせたり、たんぱく質をたくさん摂った際には食物繊維のサプリメントを摂取したり、栄養バランスを意識してそれぞれを補いましょう!
食物繊維とたんぱく質を同時に摂るデメリット
たんぱく質と食物繊維は異なる消化スピードを持っているため、摂取のタイミングや量を考慮する必要があります。
この組み合わせを同時摂取する際に押さえておきたい、主なデメリットは以下の通りです。
・食物繊維とたんぱく質を同時に摂取するのはリカバリー目的の場合は不向き
・大量に同時摂取すると内臓に負担がかかる
食物繊維とたんぱく質を同時に摂取するのはリカバリー目的の場合は不向き
食物繊維とたんぱく質の同時摂取はたんぱく質の吸収スピードをゆるやかにするため、身体に素早くたんぱく質を届けたい運動やトレーニング後の栄養補給には向きません。
そのため、運動後にプロテインを飲む場合はプロテイン単体や、たんぱく質の吸収をサポートする働きのあるビタミンCやビタミンB6や糖質などの栄養素を併せて摂ることがおすすめです。
また、食物繊維は消化されにくい性質を持ち、運動直前に食物繊維の多い食事を摂ると運動中にお腹が張って普段のパフォーマンスが十分に発揮されない場合があるので注意が必要です。
大量に同時摂取すると内臓に負担がかかる
大量の食物繊維とたんぱく質を同時に摂ると、不快感や膨満感を引き起こすことがあります。
たんぱく質は大量に摂取すると内臓に負担がかかるリスクがあり、食物繊維は大腸まで消化吸収されずに届き、大腸を刺激します。
食事で大量の食物繊維とたんぱく質を摂るのは難しくても、摂取しやすいサプリメントを摂る場合に過剰摂取のリスクが高くなる傾向があるので、必ず適量を守りましょう。
普段から消化不良を起こしやすい体質の人は様子を見ながら摂取する必要があります。
摂取量や個々の体調に合わせ、適切なバランスを保つことが重要です。
一緒に摂る際のメリットを活かしつつ、デメリットを最小限に抑えるために、個別の状況に応じた摂取方法を模索しましょう。
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?
最後にこの記事を簡単におさらいしましょう!
たんぱく質は身体全体の構成要素であり、1日に必要な摂取量は「日本人の食事摂取基準」によれば18歳以上の女性に50グラムが推奨されています。
不足すると筋肉減少や貧血などの影響が出るため、特に女性は意識的に摂取が必要です。
一方、食物繊維は野菜や果物に多く含まれ、便通促進や腸内環境整備の役割があります。18歳以上の女性には1日に18グラム以上の摂取が推奨されていますが、一般的に不足しやすい傾向があります。
食物繊維とたんぱく質を同時に摂る際のメリットとしてはたんぱく質の吸収スピードがゆっくりになり、腹持ちが向上することなどが挙げられます。
一方、デメリットとしては運動後のリカバリー目的の場合は不向きであり、大量に同時摂取すると内臓に負担がかかる可能性があります。
メリットだけでなく、デメリットも押さえて、効率の良い栄養補給を目指しましょう!
食生活の質を向上させ、健康的な生活を送るためのヒントとなれば幸いです。